父の一周忌 (2014.9.10)




父の一周忌の命日に、議会での
質問が新聞に載りました。

一年前の父は末期の胃がんで、
胃を摘出する手術をしてから
というものどんどんとやせ細り、
最後は骨と皮だけのような状態
になり、歩くのもやっとでした。

病気に加えて、父は大変に頑固で
厳しい人でしたので、私は立候補の
決意をなかなか父に打ち明けることが
できずにいました。

何日間も悩み続け、このまま父に
黙って選挙に出ようかなどとも
真剣に考えました。

しかし当然のことながらそんな訳
にもいかず、結局私は思い切って
父に決意を打ち明けました。

病気のせいで普段は辛そうにして
いることが多かった父ですが、
その時は凛とした表情で私の目を
じっと射るように、まるで私の意志
を試すように見つめ、静かに、
そしてはっきりとした強い口調で
こう言いました。

「もしお前が私利私欲で選挙に
出るんやったら、わしは絶対に
反対や。

でもお前が本当に羽咋市のために
頑張るというんやったら、わしは
全力で応援してやる」

 
それから少しでも体調が良い時は、
杖をついて足を引きずりながら
知り合いや親戚のところを周ってくれ、
言葉通り全力で応援してくれました。

父は親分肌でしたので、慕ってくれる
方々も多く、選挙でも多くの方々が
協力してくれました。

とはいえ、地盤(組織)も
看板(知名度)も鞄(お金)も
無かった私は、

「お前みたいな若造が受かる訳が無い。
選挙をなめるんじゃない」

などといろんな人から言われましたが、
結果的になんとか15人中8番目で当選
させていただくことができました。

数日後、病院のベッドの上の父に
少し誇らしい気持ちで当選証書を見せた時、
父はいつもの口調で、

「ふん、大したことないな」

みたいな言い方をしました。

しかし、実は当選の報を聞いた直後の父は
涙を流して喜んでいたと、後で病院の人
から聞きました。

その3日後、父は安心したのか、
静かに息を引き取りました。

最後の最後まで強気で、頑固で、男気の
ある凄い父でした。
 
 
議員になってからの活動を見せることは
できませんでしたが、最後の最後で
ほんの少しだけ親孝行?みたいなことが
できたのかな、と自分には言い聞かせて
います。

 
そういえば父は、新聞は毎日欠かさずに
見ていました。

天国でも見てるかな?

 
お父さん、俺、結構頑張っとるやろ。

ありがとうね。




松永幸則後援会事務所

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